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ごくたまに、1日が終わる頃、 少しだけ静寂に恵まれる日というのがあって、そんな時には今日という時間を反芻することがあります。

夜、ふとした隙間の時間に、交わした言葉や行き合った人の表情、積み残した課題、整理のつかない出来事や感情の一つ一つが、さらさらと流れてくる。

嬉しかったことも悔しかったことも。

分かったことも、分からなかったことも。

無数の感情を一つ一つ数えて、逐一カウンターを回しているわけではないけれども、「今日」を「昨日」へと送り出していくために、「今日」を見つめる。

そんな気持ちにさせてくれる詩と歌があって、そのうたに出会って以降、知らず知らずそんな習慣が身についたように思います。

今日もひとつ   

詩:星野富弘  曲:中西あかね  

きょうも ひとつ 悲しいことがあった

きょうも また ひとつ 嬉しいことがあった






    笑ったり 泣いたり 

    望んだり 諦めたり

    憎んだり 愛したり

そして これらの ひとつひとつを 

やわらかく 包んでくれた

数えきれないほど たくさんの 

平凡なことが あった

きょうも また ひとつ 

悲しいことがあった

きょうも また ひとつ 

嬉しいことがあった

笑ったり 諦めたり 愛したり

今日も ひとつ また一つ ひとつ

世界で起きていること、この国で起きていること、身近であってもそうでなくても、それらの情報に身をさらしていれば、理不尽と痛みを感じない日なんてありません。

「今日」を見送って「明日」の足音を聞くときに、別れと出会いの境目で、今日もひとつ日を数える。

静寂は、「明日」の訪れを、何か祈りを帯びた喜びに変えてくれる気がします。

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