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新年度、第一回目のワークショップが終わりました。

ちょうど桜の盛りをすぎるかすぎないかの春の一日から、テーマを「春の朝」 と設定しました。

「春」自体は何の変哲も無い、テーマとしてはひねり一つないように思われるもの。

ですが、「春」ということばが連れてくる清涼感、ぬくもり、やわらかさ…。

五感全体でうけとる「春」は、人によって違い、そこからうまれる各々の言葉も違うでしょう。

今回のワークショップでは、そうした種々様々な「ことば」を切り口にして、そのリズムと奥行き、語感を味わうというアプローチから音楽づくりを進めていきました。

言葉を可視化してみると、ユニークな地図が出来上がる。

オノマトペがふくむ温度や質感。

カタカナを使った時にうまれるリズム感や、漢字の字面が持つ形や印象。

連想される詩や記憶。

それらを使って、一人ひとりの肉体や記憶に染み込んでいるニュアンスを汲み取る作業が続きます。

例えば私にとっての「春」が染み込んだ言葉は、谷川俊太郎の詩、「春に」。

大学時代の始まりに、女声合唱曲として出会ったこの曲は、当時の私の高揚感や憧れ、弾けるような夢と期待をまざまざと思い起こさせてくれます。

命の芽吹き、目覚め。

爆発するようなエネルギーの放出と、遠く宇宙までも届いていくようなその広がり。

「ことば」によってインスパイアされて表出した新しい「ことば」を、次は音に変換していきます。

続きます。

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