あっちは見るな@「考える」「感じる」平均台①
ブルース・リーが「燃えよドラゴン」で放った「考えるな、感じろ Don’t think, feel.」という名セリフ。
「考える」と「感じる」は、ときに対立しあうものとして捉えられることが多いと思います。
私も即興にであった当初、頭の中から「考える」ことを追い払って「感じる」ことに必死になっていました。
「考える」ことに没入すると、自分の座標が自分の内側に戻ってしまって、途端に動けなくなるような感覚に陥ってしまったからです。
当時の自分に必要だったのは、目の前に起きていることに意味を探し、「考えて」立ち止まってしまうのではなく、目の前に起きていることを「感じて」その中に身を投じていくという勇気でした。
ふらつきながら歩く平均台の上、足元を見続けていなければ落ちてしまいそうな恐怖が離れなかったのです。

その後ある程度の数をこなして、ある時点をさかいに、即興の中に飛び込んでいくことは怖くはなくなっていきました。
そしてその時に、頭の中から追い払っていた「考える」が以前よりも柔らかい形で自分の中に滑り込んでくるような感覚を覚えたのです。
続きます。