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「なぜ音楽ワークショップをするのか?」

この問いに対して、確かな価値や答えを打ち出し、発信することが当初の目的だった時、私の内側には「音楽ワークショップ」にたいする、ふんわり漠然とした信頼だけがありました。

この営みはきっと何かの役に立つ、という信頼。

だから、どんな評価でも良いから、「音楽ワークショップ」の体験に根ざした誰かの言葉が欲しかった。

「音楽ワークショップ」が持つはずの確かな価値の発見に飢えていたとも言えるかもしれません。

これっておもしろい?楽しい?

何か意味があるのだとしたら、それはどんなこと?

これまで参加してくださった方々から、果たして「音楽ワークショップ」にどんな魅力と意味があるのか、様々な角度から切り込んだ言葉を頂きました。

同時に、その言葉を受けて、「音楽ワークショップ」に対して、まず私自身が何を望んでいるのかが、はっきりと見えてきたのです。

ワークショップを使って「アーティスト」になりたい。

それも、私一人が「アーティスト」になるのではなくて、これまで関わったことのない人たちと、一緒に「アーティスト」になりたい。

自分がこれまで奏でてこなかった音を使って、これまで使わなかった方法で、プロとかアマチュアとか、楽器の経験があるとかないとか、若いとか年だとか、男か女かとか、そんな区別はほったらかしにして、 一緒に時間と音楽を共有できる場を作り上げていきたい。

それができたら、どんなに素敵だろう?

すべての人と、アーティストに。

それはかつて、10年以上も前に初めて音楽ワークショップに触れた時、直感の先でおぼろげに抱いた自分自身の願いでもありました。

そしてその願いが、「音楽ワークショップ」に飛び込んだ大きな大きな動機になったのでした、そういえば。

理由は長い時間をかけてひと回りし、いつしか答えになっていた。

それは私が考え続けた方程式であり、導き出した一つの解なのです。

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