ホームページという肖像
なにかを「つくりだす」エネルギーと意志の源泉は、実はながくどこかで眠っていることが多くて、ある時ひょんなきっかけで目を覚まし、息づき始めるものなのかもしれません。
「自分のホームページを作りたいな」と、私がぼんやりと考え始めたのは、10年以上も前。
当時学んでいたロンドンで関わりのあった映像作家さんに、「私のホームページ作ってみたから見て😎」と言われてアクセスしたのがきっかけ。
単なる作品の陳列に留まらない、洗練された彼女らしい詩的なコンセプトが貫かれたページから、しばらく離れられませんでした。
このページは、なんて雄弁に彼女自身を語るんだろう、と思いながら。
私が思うにホームページ(特に個人の)を見ることのなにが楽しみかというと、ページが映しだす多面的な「その人」を見つけることにあります。
語り口調、言葉えらび、切り取る世界、思考や意思。
ページをみるごとに、その人の横顔が見え、その人の色が溢れている。
私が知っているその人、知らなかったその人、その多面的な肖像。
「こんな肖像が、自分にも描けたら良いのに」
そううっすら思い始めてから、私は私という「その人」を探し続けてきたように思います。
今回、10年来の初夢(?)のように持ち続けていた「自分のホームページをつくりたい」という希望が、ひょんなことから実現することになりました。
ぼんやりとした希望を抱き始めた10年前から、知らずしらず重ねてきた時間を経て、少しは自分の考えていることが自分の腹に落ち、軸足が定まってきた今、ようやく自分の肖像を描き出し、それを発信する段階に入ってきたのかな、と思えるようになりました。
なにかを発信するのには、ことばの純度の高さを求めて葛藤がつきまといます。
それでもまずは伝えてみよう。
だれでもない自分自身を表すために、私が語りえることばを尽くして私を描いてみたい。
このブログは、ウェブ・エンジニアの桾さんのプロフェッショナリズムのもと、私のこの希求が形をとるまでのプロセスを記録する場所です。
そして同時に、描いては消し、試しては探しなおし、試行錯誤を繰り返して、ふさわしいことばと像を「つくりだす」現場でもあります。
ぜひ、ひょいとのぞいてみてください。